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日本のワクチン事情、昭和から令和の変遷。

2023年2月22日 2023年2月27日

新型コロナウイルスは2023年5月以降、感染症法上の分類を2類相当から5類へ引き下げられる方針が示されました(2023年1月時点)。これまで、有効な対策としてワクチン接種が進められてきましたが、この方針が大きな転換点になるかもしれません。

かつての日本は感染症の蔓延と死亡率の高さに悩まされていました。そのような状況を受け、1948年(昭和23年)に予防接種法が制定されています。今では当たり前となった予防接種ですが、現在まで続く日本の予防接種の歴史はここから始まりました。

時代と共に感染症の流行も移り変わり、ワクチンも一緒に変化を続けてきました。昭和から令和にかけて、日本のワクチン(予防接種)がどのように変わってきたのかをご紹介!

【予防接種法の制定と、義務から推奨への変遷。】

日本で最初に制定された予防接種法は、予防接種を国民の義務と規定し、接種を怠ると罰則がある厳しい物でした。しかし、その甲斐もあって感染症の患者数や死亡者数は激減します。

例えば1960年に大流行したポリオは、当時未承認だった旧ソ連製のワクチンを緊急輸入してその流行を終息させる事に成功しました。

このように順調なスタートを切ったかに見えた日本の予防接種制度ですが、1970年代には早くも陰りを見せ始めます。「種痘後脳炎の発生と、その社会問題化」を皮切りに、国に対して数種類のワクチンの健康被害の集団訴訟が始まったのです。この流れを受け、予防接種制度はややその姿を変えることになります。罰則規定が廃止され、予防接種健康被害救済制度が設けられる事になったのです。

その後、ワクチン副反応の懸念から様々なワクチン接種の一時中止や任意接種化などが進み、1994年には予防接種は「推奨(努力義務)接種」に変更となります。

「義務」から「推奨」へ、日本の予防接種制度は大きく変化したと言えます。

【ワクチンギャップの発生。「ワクチン後進国」と呼ばれた日本。】

このように、1994年に接種方針の緩和が行われた日本は、他の先進国と比べて接種するワクチンの種類が少ないという、いわゆる「ワクチンギャップ」が問題となります。
予防接種制度の仕組みの問題がある他、国民のワクチンへの理解度が他の先進国とは隔たりがあり、日本は「ワクチン後進国」と揶揄される状況に陥りました。

しかし、2000年代に入るとその状況に変化が生じます。麻しんの流行や新型インフルエンザウイルスの流行により、国民がワクチンの重要さを再認識し始めるのです。

そして、2013年には国が「予防接種基本計画」を策定し、再び予防接種の推進を目指す体制作りが始まりました。
現在ではワクチンギャップはほぼ解消しつつありますが、予防接種の制度や接種率にはまだ課題があります。

【定期接種ワクチンに関する主な出来事】

ここで、1948(昭和23)年から2023(令和5)年の間に起こった、定期接種ワクチンに関する主な出来事を改めてまとめてみます。
また、それらを経た現在の予防接種ワクチンの内容もまとめて掲載します。以下の表をご覧ください。

この表を見て思いませんか?「予防接種の種類…多いな…」と。特にこどもに対しては、1本ずつ打っていてはとても苦痛に感じさせてしまいます。そこで強い味方なのが「混合ワクチン」です。

かつては三種混合ワクチンでしたが、現在では四種混合ワクチンになっていて、ますます便利になっています(既に、五種混合ワクチンへの動きもあるようです)。1度に複数のワクチンを混合接種できるので、こども達が大嫌いな注射の回数を減らすと共に、うっかり接種忘れも防止できますね。

ここまで「制度の変遷」「種類の変遷」の両面から、日本のワクチン事情を振り返ってみましたが、いかがでしたか?

私たちの身に迫る流行性疾患が変化すると、そのウイルスや細菌と戦うため、新たなワクチンが開発されます。つまり、予防接種ワクチンの変化は、そのまま人類とウイルス・細菌との戦いの歴史です。そしてその戦いは、人類史が続く限りこれからも繰り返されます。

私たちはこれからも、ひとりひとりが予防を意識した行動をする必要があります。

自身を守るためにも、家族や社会を守るためにも、ワクチン・手洗い・うがいはもちろん、様々な予防方法を同時に組み合わせながら、健康な日々を送りたいですね。

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