鳥インフルエンザって何?人間に感染するの?
ときおり流行しては、国内の養鶏業はもちろん、私たちの家計へも大きなダメージを及ぼす鳥インフルエンザですが、そもそもどのようなウイルスなのでしょうか。また、人間に感染する心配はないのでしょうか。
今回は、大きな話題になるわりにはじつは余りよく知らない、鳥インフルエンザの気になるあれこれについてまとめてみたいと思います。
【そもそも鳥インフルエンザって何だろう?】
ずばり鳥インフルエンザとは「鳥に感染したA型インフルエンザウイルス」のことです。人間も感染するインフルエンザウイルスにはA型・B型・C型の3つの型がありますが、その内A型インフルエンザウイルスは、人間だけでなく、鳥や豚にも感染をするタイプなのです。
そして、このA型インフルエンザウイルスには「変異しやすい」特性があります。この特性が、鳥インフルエンザの脅威につながるのです。
【鳥インフルエンザは低病原性と高病原性に分かれる】
本来、鳥インフルエンザは低病原性であり、水鳥(アヒルや鴨など)が保有しています。しかし、水鳥は感染していても発症はしません。これは、人間に例えるならば「お腹の中に大腸菌が居ても病気にならない」のと同じです。
このように、元来の宿主である水鳥とインフルエンザウイルスには共存関係が成立しており「病気にならない低病原性ウイルス」というのが、鳥インフルエンザの本来の姿です。
しかし、これが渡り鳥によって運ばれ、ニワトリなどの家きん類に感染すると状況が変わります。
狭い環境で飼育されている家きん類が感染した場合、狭い環境で何度も感染が繰り返されます。そこで、前述の「A型インフルエンザは変異しやすい」という特性が発揮され、高病原性に変異してしまいます。
社会問題になっているのは、変異をしてしまった、この高病原性の鳥インフルエンザウイルスです。
【鳥インフルエンザウイルスは人間も感染するの?】
結論からいいますと、日本国内ではまだ人間への鳥インフルエンザウイルスの感染例は報告されていません。
しかし、世界に目を向けると僅かではありますが感染例が報告されています。
鳥インフルエンザウイルスが人間に感染するルートは、発症して死んだ鳥や病気の発症が疑われる鳥との濃厚接触によるものです。
正体不明の鳥の死骸にむやみに触れたりしなければ、基本的には人間への感染の心配はかなり低いと考えます。
鳥インフルエンザ関連のニュースでは鶏舎中のニワトリを殺処分などと報道され、その様子をみていると「人間にまで感染拡大したら怖い」と思ってしまいますよね。
しかし、私たちが普通に生活している中では鳥インフルエンザウイルスが直接人間に感染する心配はほぼありません。
鳥インフルエンザのみに過剰に怯えることなく、日々の当たり前の衛生管理を継続したいですね。